相互誘導現象

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図は上辺から見てコイル1が右巻,コイル2が左巻である。また,自己インダクタンスに流れる交流電流\(i_1\),\(i_2\)が正であり,相互インダクタンス側を解放した状態である。

図のように巻き数\(n_1\),\(n_2\)の二つのコイルがある場合,電流\(i_1\)を流すと,それにより電界が生じ,コイル1と磁束が鎖交し,その一部はコイル2とも鎖交する。
コイル1と鎖交する磁束を\(\Phi _1\),コイル2と鎖交する磁束を\(\Phi _{21}\)とすると,ファラデーの電磁誘導の法則より,コイル1に誘導にされる起電力\(e_{11}\),コイル2に誘導にされる起電力\(e_{21}\)は以下のようになる。 \begin{align} e_{11}&=- n_1 \frac{d \Phi _1}{dt}\\ e_{21}&=- n_2 \frac{d \Phi _{21}}{dt}\\ \end{align} 磁束,電流\(i_1\)に \(n_1 \Phi _1=L_1 i_1\),\(n_2 \Phi _{21}=M_{21}i_1\)の関係があるので \begin{align} e_{11}&=- n_1 \frac{d \Phi _1}{dt}=- L_1 \frac{d i_1}{dt}\\ e_{21}&=- n_2 \frac{d \Phi _{21}}{dt}=- M_{21} \frac{d i_1}{dt}\\ \end{align} となる。ここで,\(L_1\)はコイル1の自己インダクタンス,\(M_{21}\)は二つのコイル間の相互インダクタンスである。

同様にコイル2に電流\(i_2\)を流すと電界が生じ,コイル2と鎖交する磁束を\(\Phi _2\),コイル1と鎖交する磁束を\(\Phi _{12}\)とすると,コイル2に誘導にされる起電力\(e_{22}\),コイル1に誘導にされる起電力\(e_{12}\)は以下のようになる。 \begin{align} e_{22}&=- n_2 \frac{d \Phi _2}{dt}=- L_2 \frac{d i_2}{dt}\\ e_{12}&=- n_1 \frac{d \Phi _{12}}{dt}=- M_{12} \frac{d i_2}{dt}\\ \end{align} ここで,\(L_2\)はコイル2の自己インダクタンス,\(M_{12}\)は二つのコイル間の相互インダクタンスである。\(M_{21}\)と\(M_{12}\)には \begin{align} M_{21}=M_{12}=M \end{align} の関係がある。
また,\(\Phi_1 \Phi_2 > \Phi_{21} \Phi_{12}\)であるので,両辺に\(n_1 n_2 / i_1 i_2\)を掛けて整理すると \begin{align} \Phi_1 \Phi_2 &> \Phi_{21} \Phi_{12}\\ \frac{n_{1} \Phi_{1} }{i_1}\frac{n_{2} \Phi_{2} }{i_2}&>\frac{n_{1} \Phi_{21} }{i_1}\frac{n_{2} \Phi_{12} }{i_2}\\ L_1 L_2 &> M^2 \end{align} の関係がある。ここで \begin{align} M=k\sqrt{L_1 L_2} \end{align} と表し,\(k\)を結合係数という。



相互誘導回路

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